ナナ
今から1年半ほど前、職場へ得意先の女性から電話が入った。
「○○さん、あの~、猫って飼う予定ない?」
どうやらその会社の長距離運転手さんが、駐車場のトラックが多数停まっている辺で子猫を保護したと。
その女性は私とはいつも親しくしている方だったので、私が猫好きなのも知っていた。ゆえに依頼してきたのだろう。
当時はまだ猫と同居できない住居だったので、実家の母に相談してみる。
幸い実家には「高齢の奥さん」と「まだやんちゃなもぐ」がおり、もぐの遊び相手になる元気な子が居れば・・という事で了承を得られた。
後日職場で、そのトラックの運転手さんから子猫を預かった。
その方も猫が好きらしく、家の事情で飼えないことを悔やんでいた。
その方の腕の中で穏やかに寝息をたてている子猫。
それがこのナナである。
もう半年くらいになっていただろうか、わりと大きかった。
駐車場の辺りに居たからか、放浪からなのか、身体は灰色にすすけていた。
預かった日も私を恐れるでもなく、帰宅までの半日、ずっと私の肩の辺に登ったまま、じっとしていた。
その時の写真
職場から実家までの1時間の道のりも、車の中で、運転している私の頭とシートのヘッドレストの間に収まり、眠っていた。
よくない物を拾い食いしてしまったのか、預かった頃はお腹が異常に膨らみ、ひとまずお医者に連れて行ったら「巨大結腸症」と言われた。消化不全が起きていたらしく、しばらくはあまり元気がなかった。
私の手が下の世話をしようと何をしようと、全く抵抗せず、じっと私を見つめていた。
------------あれから一年半・・・・・
じょじょに彼女は力を取り戻し
父の食卓の前を陣取り
いまや
我が家で最もたくましく育ちました。
それでも、小さい頃、放浪時に鳴き過ぎたせいなのか、今でもほとんど声が出ない。
その為、実家ではナナだけが鈴のついた首輪をしている。
これからは、喉が潰れてしまうような声はもう出さんでいいよ。
今日もナナは、元気にもぐのご飯を横から頂戴するのであった。
もぐ、ちょっとは怒りなさいね(TT
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