八月三十一日、午後八時十二分、元気な子が出ました。
凄まじい痛さでした。
予想を遥かに越える激痛でした。
分娩台まで上がるまでの7時間、陣痛との戦い。
波がきたら目をひんむき、叫び声をあげながら、波が去ったら瞬時に強制睡眠に(目を閉じた途端カクッとなる)そしてまた波がきて
…初めての私には呼吸を整えるまでなかなかいけなかった。
まさに一分間隔の地獄と天国。天国の間に徐々にくる陣痛への恐怖。
一回一回くじけそうになりながら…波のピークにはもうやめてと心で叫びつつ…
あと何時間耐えればいいんだと、意識が通常の二割くらいしか働かない朦朧とした頭でひたすらもがきつつ。早く、早く出させてくれ、早く下に降りてってくれ、と。
分娩台に乗った時は一割くらいの脳みそしか働いてなかった。あんなに叫んだのは初めてだ。
実は私、陣痛が始まってからかなりの高血圧になってしまい、先生や助産師さんをかなり心配させてしまった。薬を投与しつつ、なるべく早く産む為にやむなく会陰切開。例えれば指と指の間を切るような痛みだろうに、そんなのは感じる暇も無かった。
本格的ないきみを開始した時は上手くできなくて助産師さんに怒鳴られつつ、じょじょにやり方が分かってくる。
でも痛い、なんて表現ではく、もう無我夢中。
激痛過ぎてなんだか分からない。
一セット三回のいきみを七回か八回やった頃だろうか。
自分でも
「うそだ、もう?」
という所で
「頭でたよ、いきまず短促呼吸(自分の手を胸においてハッハッハッハッという短い呼吸)して!」
との声が。
…ニュル!
なんか出た、気がした。
「はい、頭出たよ、もう少しだよ、肩が出る…」
…ニュルン!
…出た!
出た?
出た!!!
「はい、男の子〜」
男の子!?
回りが皆九割は女の子と予想してたのに!(産まれるまで性別は聞いてなかったので)
それに驚いた瞬間、あの激痛もピタッと無くなったのにも驚いた。
意識が戻ってくる。
なんか股間の向こうで動いてる、動いてる!
あれか?ホントにあれか?あ、泣いた!あれなのか!?出てきてくれたのか、あれが私が今産んだ子!
信じられない、産めた!
私が産めれたんだ!
子を見ながら無意識に言葉が出てくる「あぁ、出た、出てきてくれた、ありがとう、頑張ったなぁ、動いてる、泣いてる、動いてる」
ふと傍らを見ると旦那が号泣していた。
ずっとそばに居てくれた。
旦那「ありがとう、ありがとう、よく頑張ったな、よく頑張ったな…」
そして出たてほやほやの赤ちゃんを抱っこ。
愛しい。
愛しい。
今までずっとこのお腹に居たんだな君は。居てくれたんだな。
可愛い。
小ちゃい。
いごいごしてる。
おとなしく抱っこされてる。あぁ…。。
…後産(胎盤を出す)や切開跡を縫合し、平らになった分娩台でそのまま二時間待機。
傍らの赤ちゃん台には出たての我が子。
自分の今までの人生の中で最も穏やかに微笑めた。
無事、産めました。
高血圧で緊迫の中、私を導いて下さった助産師さん、先生、本当にありがとうございました。
明日午後赤ちゃんが部屋にくる。
今夜は一人、ゆっくりと一日を振り返りながら眠ります。
股間が地味に痛いけどね(T▽T)
応援してくださった皆さん、ありがとうございました。